スナックでお客さんを呼ぶための手段として使われるシステムが「同伴」です。
スナックのアルバイトでは必須ではないものの、同伴バックがもらえること、そして確実にお客さんが呼べることから利用しているキャストは多いです。
しかしその分、同伴のシステムやルール・マナーを知っておかないとお店から怒られてしまったり、あるいはお客さんとの距離感を間違えて身の危険が訪れる可能性もあります。
そこでこの記事ではスナックの同伴とは何をするのか?同伴の誘い方や基本マナーはなにか?について詳しく解説してみました。
スナックの同伴とは?
スナックでの同伴とはキャストとお客さんが出勤前に一緒に食事などを楽しむサービスを指します。スナックで働いているとお客さんから「今度ご飯行こうよ」「今度○○に遊びに行こうよ」なんて誘われる機会が増えます。
しかしプライベートの時間を削ってお客さんと遊びに行ってたらキリがないのが実情ですよね。そこでおすすめしたいのが「同伴」です。
そこで同伴を使って食事やデートを楽しんだ後にそのままお店に行くことで、お客さんをそのままお店に呼ぶことができます。
同伴をうまく利用することでキャストはお客さんを店に呼ぶことができ、お客さん側はデート気分を味わうことができます。つまり、推しの女の子に対してより好意を寄せてくれやすくなるわけです。
- 女の子は同伴バック&指名客をキープしたい
- お客さんは一対一のデート気分が味わいたい
というところで、スナックやキャバクラ、ガールズバーなどで取り入れられています。
スナックでお客さんと同伴するメリット
スナックでの同伴にはどんなメリットがあるのでしょうか。出勤前の時間を使ってわざわざ同伴することでどんな得があるのか?詳しく解説しましょう。
①同伴バックがもらえる
同伴を行うことで、キャストは同伴バックをもらうことができます。
スナックで女の子と同伴するためには、お店のサービス料とは別に「同伴料」を支払う必要があります。
お客さんと同伴する際には事前にお店に「○○様と同伴します」という連絡を入れており、お店に入った時点で同伴料が加算されます。つまり同伴をした時点で女の子とお店側に売上が入るということですね。
たとえば一回の同伴につき1,500円の同伴バックがもらえる場合は、週一回の同伴をした場合は月に約6,000円のプラスになります。
「月に6,000円?少ないよ!」と思う人もいるかもしれませんが、指名客のほうがフリー客と比べて接しやすいですし、ドリンクも気軽にもらいやすいため、結果的にもっと給料に貢献してくれます。
お店のランクが高いほど同伴バックも増えるため、
②確実に指名客が呼べるから
スナックで同伴をすると、確実に指名客を呼ぶことができます。
同伴では事前にお客さんと食事などの約束をしてから一緒にお店へ向かうため、キャストが確実に指名を受けることができます。ラインなどの連絡だけでは「行くよ」と言いつつ来ないこともありますが、同伴ならほぼ確実です。
また、同伴制度をうまく活用することで、お客さんと信頼関係を築ける点も大きな魅力です。定期的に同伴することで、売上アップにつながるだけでなく、お客さんとの距離が縮まりやすくなります。
お客さんにとっても女の子と距離を縮める時間となり、お互いにメリットがある制度となっています。
③新規やフリー客に付く必要がなくなるから
同伴をすると、フリー客に付く必要がなくなるため精神的な負担が少なくなります。
新規やフリーのお客さんに付いた場合、信頼関係が築けていない状態から始まるため、精神的負担やストレスが大きいです。人によっては心ない言葉をかけてくるケースもあり、キャストにとって新規やフリー客は接客しづらい存在なのです。
その点、同伴なら既に関係性があるお客さんの接客となるため、新規やフリー客と比べてストレスが少なくなります。また予算なども調整しやすいため、同伴からもらえるドリンクなども計算しやすくなります(1時間に2~3杯は確実にもらえるとか)。
自分だけの常連客を作ることはお店で働きやすくするための一番良い手段です。細く長く通ってくれるお客さんを作ることが、キャストとして長く生きる上でのコツにもなります。
スナックで同伴する際のルール・マナー
スナックで同伴する際には、基本的なルール・マナーがあります。
同伴についてのルールを把握しておかないといざお客さんを連れてきてお会計をする時にトラブルになる可能性もあります。トラブルを防ぐためにもスナックの同伴の基本マナーについて解説しておきます。
①お客さんに同伴料の説明をする
お客さんに事前に同伴料の説明をしましょう。
同伴する際、料金が発生することを説明せずに話を進めてしまうと、いざお店に来て会計をする時に予期せぬ金額になり不満を生むことになります。
お客さんの心理として「説明を聞いた上で納得して払う」なら文句はないですが、説明なしに追加料金があると必ず不満が生まれるのです。不満が生まれてしまうとママにクレームを言われたり、物言わぬお客ならそっと来なくなるでしょう。
そのため、トラブルを未然に防ぐためにも、同伴については説明必須です。
例えば「同伴だと通常料金に3,000円が追加になるんだけど大丈夫?」というように、同伴料金に関する説明をしましょう。料金についてちゃんと説明し、納得した上で同伴をすればクレームになることはありません。
また料金が発生する際に説明をしてくれることがわかれば、お客さんはお店そのものを信頼してくれることにつながるでしょう。
②同伴する旨をお店に報告する
同伴の予定がある場合は、必ずお店に報告しましょう。
同伴はお店との連携が重要です。同伴がある場合はスケジュールをお店側が把握している必要があります。
たとえば同伴の予定がある場合、
- 同伴の開始時間
- お客さんの名前
- 同伴先のお店
などの情報を事前に伝えることが必要です。仕事ができるキャストは報告をしっかりしますし、お客さんの情報を共有してより良いサービス提供に努めています。
必ず同伴する際にはお店に連絡を入れましょう。
③裏引きは絶対にしない
お店に黙ってお客さんと金銭のやりとりをする「裏引き」は絶対にしないように気をつけてください。たとえばお店に内緒で出勤前にお客さんと食事をして「同伴料を直接渡してくれたら○○するよ」といったやりとりです。
仮に同伴料が3,000円だとしたら「私に3,000円渡してくれたら必ずアフターするよ」なんて裏引きも考えられるでしょう。
裏引きはお店の信頼を完全に損ねる行為であり、見つかったらクビになる危機となります。なぜなら裏引きはお店に払うはずの同伴料を横領していることになるからです。
もし裏引きをしてクビになってしまったら、地元周辺のお店に周知され、どこにいっても働けなくなる恐れもあるでしょう。お店で働く上で信頼を失うことは何よりのリスクなので、裏引きはしないように気をつけましょう。
④時間を厳守する
同伴では待ち合わせ時間に送れないようにしましょう。同伴はお客さんが同伴料を払っているため、料金を払ってもらう時点で仕事です。
3分、5分程度ならまだしも10分、15分も遅れて来るようだとお客さんとの信頼関係が壊れてしまう恐れがあります。信頼を失ってしまったらお客さんが怒ってお店に行かずに帰ってしまうか、あるいは関係性が切れてしまうかもしれません。
さらにお客さんが強い不満を持った場合、お店の中で愚痴を漏らすこともあります。特に田舎ほど噂が広まりやすいため、悪い噂もあっという間に広まってしまうでしょう。
信頼は積み重ねですから、時間を守ることでお客さんに好印象を与え、信頼を深めることができます。時間を守ることは基本中の基本として覚えておきましょう。
スナックで同伴する際の自然な誘い方
同伴してもらう際に困るのが誘い方ですよね。
お客さんの心理として「プライベートで会いたい」というのがあり、「えー、同伴か…」なんて渋ったりもするからです。
同伴をスムーズに誘うためには、会話の流れを作ることが大切です。ここからは同伴の自然な誘い方について解説していきましょう。
①お店で盛り上がった流れで誘う
お店で会話が弾んで盛り上がっている瞬間は、自然な形で同伴を誘いやすいです。
接客をしてる時にお客さんが楽しそうにしていたり、会話が弾んでいるときは気分が良い時ですから、同伴を誘っても受け入れられる可能性が高いでしょう。
例えばお客さんとの会話の中で「今度、○○に行きたーい!」「○○のお店、めっちゃ美味しそう!」といった軽い一言を投げかけてみると良いでしょう。
- 食べたい!
- 行ってみたい!
などの言葉をかけると、お客さんから自然と誘いやすくなります。お客さんから誘ってきたら「でも昼間も仕事してるから夜の仕事前くらいしか時間がなくて…」といって同伴の流れに持っていきます。
②LINEで食事に誘う
LINEを利用すれば、お客さんを自然な形で食事に誘うことが可能です。
直接対面で誘うよりも、LINEは適度な距離感を保てるため、お客さんに無理なプレッシャーを感じさせることがありません。また対面での会話と比べてじっくり考えて返信ができるため、より戦略的に誘うことが可能です。
ただしお客さんの心理として個人的に食事に行くのか?それともプライベートなのか?が曖昧になりやすいため、同伴であることを伝えることが重要です。キャスト側が同伴だと思っていても、男性がプライベートだと勘違いするケースが非常に多いからです。
仮にプライベートでの誘いでしか来るつもりがないようならメリットがないので、予定を組み直しすることにして、しれっと何もなかったことにするのが良いでしょう。
③お店のイベントを利用する
お店のイベントを利用して同伴を提案することは、自然にお客さんの興味を引く方法です。たとえばお客さんに得のあるイベント(感謝祭で割引)がある場合、誘うことにも抵抗感が少なくなります。
また、イベントの楽しみが共通の話題や目的となることで、お客さんとの距離が縮まりやすいでしょう。
たとえば「今度◯◯イベントがあるんですよ!せっかくだから、一緒にご飯を食べてから行きませんか?」といったように、お客さんにとってプラスアルファの楽しみを提案する形が効果的です。
このような提案は、お客さんに特別感を感じさせると同時に、イベントへの関心を同伴への自然な流れにつなげることができます。
④素直に「同伴して!」と頼む
この際、素直に「同伴しよー!」と明るく頼んでみるのもありです。
あれこれと戦略を練るよりもストレートに同伴したいと伝えたほうが潔く見えて「良いよ!」とノリ良く応えてくれることもあります。同伴が取れない女の子の多くは「同伴=悪いこと」という認識をしていることが多いです。
なぜなら「プライベートで会いたいと言っているお客さんから同伴料を取っている」という感覚になっているからです。でも厳密にはプライベートでしか会おうとしない男性はお客さんではありません。
仕事として接客をしている訳ですから、本来はプライベートで関わる必要はありません。お店に来ようとしない男性を相手にしていると消耗するだけなので、ちゃんと同伴だと理解してくれる人にアプローチしたほうが良いです。
たとえば連絡が取れるお客さんが10人いるなら、1人ずつ連絡をしてストレートに同伴を誘ってみてください。同伴しないなら断られるだけですし、OKなら「良いよ!」と返してくれるはずです。
スナックの同伴は何時からにすべき?
スナックでの同伴は何時から待ち合わせしたほうが良いのでしょうか。
お客さんとしては推しの女の子といる時間は幸せそのものですから、早ければ早いほど良いと考えますが、キャストとしてはなるべく短いほうがコスパ良いですよね(笑)
では何時くらいに待ち合わせるべきなのか?詳しく解説していきます。
①営業開始の1時間半~2時間前くらい
スナックの営業開始の1時間半~2時間前くらいが一般的です。
同伴は時間が短すぎると不満になりやすいですし、かといって長すぎると会話が続かなくなって辛くなります。程よく盛り上がったタイミングでお店に行くことを考えると1時間半くらいがちょうどいいかもしれません。
お店に移動するのに時間がかかるなら2時間前に待ち合わせすればOKです。ちなみにお店の営業前に入らないと給料が削られてしまうこともあるので、遅刻をしないように気をつけましょう。
スナックの同伴の頻度はどれくらいがおすすめ?
同伴はキャストとお客さんの信頼関係を深め、スナックの売上アップにも繋がる重要な活動ですが、お客さんの経済状況的に負担にならないよう、同伴の頻度を調整することが大切です。
お客さんが長く通ってくれるようにするためには、経済状況を把握することが重要です。たとえば月の飲み予算が3万~4万円の場合、1回の来店で使うお金はだいたい13,000円~15,000円くらいかと思います。
計算すると
- 13,000円:月3回
- 15,000円:月2回
- 20,000円:月1~2回
となりますね。たとえば13,000円のお会計なら3回は来れることになりますが、仮に無理をして1回の来店で2万円を越えたりすると次回に繋がりにくくなります。
同伴が頻繁に行われすぎると、予算面でお客さんに過度な負担をかけることになりかねません。そして「このお店に行くと高いんだよな…」と思われると、もっとコスパの良いお店に行ってしまうかもしれません。
同伴の頻度を決める際には、お客さんとの会話の中で相手の都合や予算感をしっかりと把握するよう努めることがポイントです。
スナックで同伴する際に気をつけること
スナックでの同伴にはメリットが多い反面、注意点も重要です。
同伴をする中で対応を間違えるとお客さんとのトラブルに巻き込まれる可能性があります。ここからは同伴によって起こる可能性のあるトラブルと、それらの対策について解説します。
①距離感を間違えないこと
同伴時にはお客さんとの適切な距離感を保つことが重要です。特に新人でスナックバイトを始めたばかりの頃は気をつけたいことです。
自分のお客さんをたくさん作ろうと思って気合を入れすぎた余り、密着してしまったり、顔を近づけすぎたりすると、お客さんから脈ありと勘違いされてしまうことがあります。
お店での接客ならボーイやママが対応できますが、同伴やアフターでは周りに守れる人間がいないため、危険な場合も多いです。それにふだんはおとなしい男性でもお酒を飲むと気が大きくなってしまうことはよくあります。
もし「自分のことを特別扱いしている」と勘違いされたりすると、結果的にトラブルになることもありえます。また反対にずっと自分のお客さんでいてくれると過信するあまり、素っ気ない態度を取ったりするとそれも自分から離れていく要因になります。
お店の接客でも同伴でも大切なのは恋人のように接することでも、雑に接することでもなく「心地よい時間を過ごしてもらうこと」です。
②同伴先でお酒を飲みすぎないこと
同伴時において、同伴先の店でお酒を飲みすぎないことが重要です。
同伴先でお酒を飲みすぎてもお店の利益には1円もなりませんし、出勤した時に既にベロベロになったら仕事に悪影響が出てしまいます。
お客さんによってはキャストドリンクが高いからといって同伴先のお店でやたらと飲ませようとしてくることもあり、自己防衛が出来ないと泥酔状態にさせられてしまうこともあります。
悪質なケースではホテルに連れ込むために泥酔状態にしようとすることもあります。一対一の環境でお酒を飲みすぎるのは良くないので、もし居酒屋などで日本酒やワインなどをガバガバ飲ませようとしてくる際は注意をしましょう。
場合によっては「日本酒飲むとすぐベロベロになってお店に迷惑かけちゃうからダメなんだ」などと断ることが大切です。
③お金はお店で使ってもらうようにする
なるべく同伴先ではなくお店でお金を落としてくれるように促しましょう。スナックのシステムをよく知らないと同伴先でシャンパンを入れようとすることもあり、お店にほとんどお金が落ちないまま終わってしまいます。
キャストはお店でドリンクをもらうことでしか利益になりませんから、同伴先でお金を使われすぎても困ります。お金を店で落としてもらうためには、同伴先での出費を抑えるのがおすすめです。
高級レストランや居酒屋に連れて行かれるよりも「近くの安居酒屋で良いよ」くらいのノリで誘うのもありです。
また善意で良いお店に連れて行こうと考えてくれている場合は、「女の子はお店(スナック)に来てお酒を飲ませてもらうのが一番嬉しいんだよー」ということを伝えてあげましょう。
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